京都大学大学院医学研究科クリニカルアナトミーラボ

menu

カダバートレーニングに参加して 【肝胆膵・移植外科】

202433日参加

京都大学大学院医学研究科 肝胆膵・移植外科 烏山 拓馬

このような貴重な機会のため、ご献体を提供して下さった白菊会の皆様、またご遺族の方々に心より感謝を申し上げます。またご指導下さった先生方、開催のため準備下さったクリニカルアナトミーラボの皆様ありがとうございました。

今回私は、2023年度京都腹腔鏡下肝切除カダバートレーニングに参加させて頂きました。若手外科医として日々修練している最中、このような機会をお声かけ頂きすぐに参加させて頂きたい、と返事致しました。良い手術を行うためには、解剖を熟知していなければならないのは当然ですが、教科書で学ぶことができる写真やイラストは、実際の手術野と異なることがあり、日々の診療の現場では知識をすり合わせる時間も心の余裕も十分にありません。私にとって今回は絶好の機会と思い、期待を胸に参加致しました。

ご献体で手術をさせて頂き、腹腔鏡手術を開始し、いつも見ている手術野とほぼ違いがないことに感動いたしました。ご用意頂いた手術道具も日々使用しているものと遜色なく、非常に良い環境で手術に取り組むことができました。手術を進める上で術者と助手の協調は重要ですが、腹腔鏡の拡大視で見る組織の緊張は日々経験しているものと変わりはなく、細かな操作までこだわって手術を進めることができました。心に余裕を持って手術に取り組むことができ、また時間をかけてご指導頂いたことで、今まで以上に手術手技や解剖の理解が習熟したと思います。朝から夕方まで手術させて頂きましたが、あっという間に一日が過ぎました。

今回の経験を活かして、日々の診療で1人でも多くの患者さんに還元していきたいと思っています。本当にありがとうございました。