京都大学大学院医学研究科クリニカルアナトミーラボ

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臨床解剖実習を開催して 【脳神経外科】

2024年1月7日,1月8日 参加

京都大学大学院医学研究科 脳神経外科 丹治 正大

この度、私は臨床解剖実習を主催し、若手医師に脳神経外科手術の教育機会を提供し、共に学ぶ機会を持ちました。

振り返ってみると、医学生時代の解剖実習で人体の構造を学んだときの経験は、今でも鮮明に覚えています。膨大な人体の解剖に圧倒されながらも必死に勉強をし、解剖実習が終わったときにご献体された方々に強い感謝の気持ちを持ちました。今でも通勤途中に慰霊碑の前を通るのですが、心の中で感謝の気持ちを伝えております。

卒業後、脳神経外科医としてのキャリアの中で、頭蓋底外科を専門とするようになりました。頭蓋底の腫瘍の摘出には頭蓋骨を削る複雑な手技が必要とされ、十分な解剖理解が不可欠です。しかし、この領域での手術経験は通常は限られており、実際の手術以外での学習が必要です。モデルやVRを使用したシミュレーションだけでは不十分のため、ご献体を用いて実際に使う手術器具を用いて実習し、解剖の学習をすることが重要です。今回の臨床解剖実習は、若手脳外科医師が頭蓋底手術解剖を理解し、結果として患者さんのため良質な医療を提供することができるようになることを目的としました。参加した医師たちは、2日間真剣に取り組み、多くのことを吸収してくれました。そして指導にあたった我々も共に多くのことを学びました。

このような非常に貴重な機会をいただけたのは、生前にご献体することを決意していただいた白菊会の方々と、その決意を尊重してくれたご遺族の方々のおかげです。改めて心から感謝申し上げます。