京都大学大学院医学研究科クリニカルアナトミーラボ

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カダバートレーニングでの学び 【整形外科】

2024年3月17日、3月24日参加

倉敷中央病院整形外科 川崎 康生

 

 白菊会の皆様、私たちの実習のために貴重なお体をご献体くださりありがとうござ います。ご献体くださった崇高な精神と、それに対し快く送り出していただいたご遺族の方々にも感謝いたします。

 今回、京大CALで膝・肩関節関節鏡実習に参加させていただいたのは、私の所属地である倉敷中央病院は関節鏡手術や膝関節などの手術を盛んに行っており、日々そういった手術に参加させていただく中でより深い知見を得たいと考えたことが大きな理由でした。また、膝関節周囲骨切り術実習についてはその手術の特殊性もあり、倉敷中央病院での骨切り術の症例数が人工膝関節置換術に比較して少ないということもあり、経験豊富な京都大学整形外科の先生方に教えていただき執刀経験をさせていただくという大変貴重な機会ですので参加させていただきました。

 関節鏡実習では、膝では主に前十字靱帯再建術、肩では鏡視下腱板縫合術を執刀させていただきました。今までにも模型によるセミナー講習など参加させていただくことはあったのですが、やはり実際の手術にかなり近い環境での執刀となると、解剖学的に重要な構造ややピットフォールなどをより深く理解することができました。膝関節骨切り術については、ほとんど経験がないような術式であり、医学書などを読みながら予習をして執刀をさせていただきましたが、実際の手術では確認することのできない膝周囲の神経や血管を剖出することで、損傷してはいけないような構造物をより把握することができました。また、骨切りの繊細な角度や距離の調整、骨折などの術中合併症がどのような場合に生じるかなど、骨切り術をほとんど経験したことがない私にとってとても有意義な情報を得ることのできた体験となりました。

 このような成長を強く実感できるような経験をさせていただきましたのは、白菊会の皆様のご助力による賜物です。この度は誠にありがとうございました。